2024-12

怖い話

地獄行き、おめでとう

「午前3時に廃校のグラウンドに立つと、屋上から『地獄行きおめでとう』って書かれた幕が垂れ下がってるらしいよ。」 直樹が話し始めたのは大学の講義帰り、いつものファミレスだった。適当に頼んだドリンクバーを片手に、俺と翔太の顔を交互に見ながら、ど...
怖い話

やばいバイト

あれってヤバいバイトだったのかな? 最近流行りの「スキマバイト」。便利さがウリのこの仕組みは、フリーターの俺にはありがたい存在だった。バイトがない日もスマホ一つで仕事が見つかるから、何もせずに終わる日はない。いつもなら同じ案件ばかりやってい...
怖い話

記憶の中の友達

私は幼稚園から小学校に上がる前くらいまで、とても仲の良い女の子がいました。 彼女の名前はどうしても思い出せないけど、顔は今でもはっきり覚えています。ツインテールに少し大きめの目、そして笑うと見えるえくぼ。私はよく彼女の家に遊びに行き、公園で...
怖い話

おりたもの

あれは大学の帰り道のことです。その日は授業が長引いて少し疲れていて、車内でぼんやりと窓の外を眺めていました。終点近くの路線で、降りる人も少なく、気付けばバスには私しか乗っていませんでした。 車内は静かで、運転手さんの咳払いがやけに響いていま...
怖い話

離岸流の先に

その日は、夏休み最後の思い出作りとして、大学の友人たちと海へ遊びに行った。観光地ではない静かな浜辺で、僕たちは各々の時間を楽しんでいた。 僕は特に泳ぎが得意ではなかったため、浮き輪を使って浅瀬でぷかぷかと波に揺られながらのんびりしていた。友...
怖い話

湖底の幽霊バス

これは、数年前、友人たちとキャンプに行ったときの話です。 その湖は山奥にあり、地元でも「静かで美しいけど、どこか不気味だ」と噂される場所でした。キャンプ場は整備されていましたが、利用者が少なく、特に平日は閑散としているようでした。その日も他...
怖い話

塾アルバイト

大学生の頃、私は小さな個人塾でアルバイトをしていました。塾は古びた雑居ビルの2階にあり、生徒数は10人ほど。先生も3人だけのこぢんまりとした塾で、少人数制だからこそ生徒一人ひとりと親しく接することができる環境でした。 その日は夜10時半を少...
怖い話

悲顔のコケシ

主人は温泉旅行が好きで、よく友人たちと出かけていました。その日も友人と一緒に旅行から帰ってきたのですが、彼の手には、小さなコケシが握られていました。普段、土産物には全く興味を示さない主人が「なんとなく惹かれた」と言って、リビングの棚に飾りま...
ほっこり

家鳴りの棲む家

おばあちゃんが生前住んでいた家を取り壊すことになり、私は両親とともに荷物の整理に訪れた。 おばあちゃんは数年前からグループホームで暮らしていて、この家には長い間人が住んでいなかった。古い木造の平屋で、ところどころ壁の色がくすんでいる。それで...
怖い話

かごめかごめ

これは私が中学生の頃、友人たちと近所の神社で遊んでいたときの話です。 夏休みの夜、「肝試ししよう」という話題で盛り上がり、地元で有名な古い神社に行くことになりました。 その神社は夜行くとよくないと言われており、理由は特に明確ではありませんで...